新潟にて （櫻の園１）

ジャイアンが言った。
「俺じゃぁ、あの子を救ってあげる事は出来ない。それが出来るのは今はもうお前だけ」

「、、、、、。な～～にを今さら勝手な事を！！一学年先輩なんだからしょうがないって分かって居ても、さっさと卒業という形で敵前逃亡して行った癖に」

とか思いつつも、
「イヤ、それは違うでしょ、それは本来はもう彼女の旦那さんの役目のはずだ」

と切り返す自分。

「うん、本来ならね、、、。」とジャイアン


自分達は（彼女）はまだ約30年前の夢の中に囚われつづけている。「櫻の園」で心だけが眠っている。
結婚してもぽっかり空いてしまった心を埋められなくて、膝を抱えて俯いたままだ。

彼女の自宅と家の実家の距離って大体40キロ位。トラに、これからドライブに出かけないか？と言い、夜10：00近くに彼女に電話を入れた。

彼女の声は今にも消えそうな程か細くて、上手く聞き取れないけど、

「今からそっちに向かうから。近くに行ったらまた連絡入れる」の自分の言葉に
「うん、うん、わかった」と彼女は答えた。

彼女とは約20年ぶりの再会だった。

車に近づく自分を認識すると彼女は車から降りて、半分泣きながら抱きついて来た。
彼女との身長差は約15センチ位、自分が男だったらそのまんま「ラヴシーン」だよね（笑

でも良い年した女同士が夜中に何やってるの？？、、、って冷静になってみる。
いや、こう言う時は冷静になっちゃいけないのか、、、。

彼女は呟く「連絡嬉しかった、会いたかった、探してくれてありがとう、私結婚はしたけど、、」

20年もの長い間、彼女の事を放って置いてしまった自分の罪をここで知る事となった。
これじゃぁ流石にジャイアンばかりを責められない（－－；；

彼女の結婚式の披露宴の招待状を貰ったのに、あの時は東京に出たばっかりでタイミングが悪くて行けなかった、その事を今さら凄く後悔した。
ジャイアンはちゃんと出席したって聞いていたから迂闊にも安心しきっちゃってたんだよね。

結婚して子供を産んだからと言って大人になれる訳じゃない。現に自分もあの時のまま櫻の園から出られない。（出る気も無い）親友のＫ子だってそうだよ。たぶんジャイアンだって片足突っ込んだまんまだ。

それに悲しいかな、子供は親を選べない！！●●の娘なんてあの母親だよ！娘はあんなに可愛いのに、彼氏を母親に会わせるとすぐに別れる（フラレル）と言う悲しいジンクスがあるってさ！だから娘の彼氏に会えないのと本人が言っていた（爆笑）う～～ん納得するしかないなぁ～母親があいつじゃぁって。

その他、誰とは言わないけど、子供は浮気夫を引き留める為の道具じゃない！壮絶すぎて話せないよ。
多かれ少なかれ昔の仲間はみんなキッツイ人生生きてるよ、でも会えば明るく笑ってる。

自分の体の事も、誰の事だとも言わずにさらっと彼女に話す。
彼女は吃驚した顔してただこっちを見る。

「一人じゃないし、もう一人にはさせないから大丈夫。また５月に会おう。今度は真夜中じゃなくてお茶でも飲もう」

そう言って笑って別れた。

とらは1人車の中、もう免疫つき過ぎて慣れっこです。

櫻の園、、、シンドローム。（笑）